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東京2020パラリンピック[ブラインドサッカー・男子]日本代表の戦績・動画配信は?

東京2020パラリンピック ブラインドサッカー(男子)の日程

競技スケジュール

2021年8月29日(日)〜9月4日(土)

  • 8月29日〜31日 グループA・B予選
  • 9月2日 準決勝、7位決定戦、5位決定戦
  • 9月4日 決勝、3位決定戦

ブラインドサッカーの競技概要・魅力

<競技概要>

5人制サッカーは別名「ブラインドサッカー」としても知られる、視覚障がいのある選手(B1クラス)を対象とするサッカー。1チームは4人のフィールドプレーヤーとゴールキーパーで構成される。ゴールキーパーは晴眼(視覚障がいの無い選手)、または弱視の選手が務めるが、フィールドプレーヤーは視覚障がいのある選手でなければならない。

フィールドプレーヤーは個々の見え方による有利不利をなくすため、アイマスク(目隠し)着用の義務があり、視覚を遮断した状態でプレーする。チームにはFPの目の代わりとなる「ガイド」と呼ばれるメンバーがいて、相手ゴールの裏に立ち、ゴールまでの距離や角度などの情報を声や音で伝える役割を担う。

ボールは中に鉛が仕込まれた特製のボールで、転がると「シャカシャカ」と音が鳴る。選手はボールの音やガイドの声などを頼りにプレーするが、想像以上に激しく、スピーディーなプレーに驚かされる。

周囲の音声に耳を傾ける選手を妨げないよう、観客にはプレー中、静寂が求められる。ただし、得点が決まったときは大きな歓声で選手を称える。このメリハリある観戦スタイルも、5人制サッカーの醍醐味だ。

<競技の魅力>

華麗で迫力あるプレーと緊張感 仲間とのコミュニケーションや信頼感がカギ

5人制サッカーは国際ブラインドスポーツ連盟(IBSA) が統括し、ルールは国際サッカー連盟(FIFA)のフットサルをもとに、視覚障がいのある選手がプレーできるよう一部がアレンジされている。

例えば、ピッチは40メートルx20メートルのフットサルコートを使うが、サイドライン上には選手やボールが飛び出さないよう、高さ1メートルほどのフェンスを立てる。フェンスはまた、選手が触って自分の位置を知る目安にしたり、ボールを意図的に蹴ってバウンドさせ、その跳ね返りを利用してパスしたりする目的でも使われる。

人間は外界から情報の約80パーセントは視覚から得ているとされるが、視覚を遮断した状態でプレーするFPのために情報を補う工夫もさまざまある。例えば、ボールを持った相手に向かっていくときは衝突を避けるため、守備側が「ボイ」と声をかけるルールがあり、違反するとファウルになる。

また、フィールドプレーヤーに情報を与える役割は味方チームの3名が担う。ゴール裏から「8メートル、45度、シュート」のように、ゴールの位置などを伝えるガイド、主に守備に関する情報を与えるゴールキーパー、そして、監督(コーチ)がサイドフェンスの外からピッチ中盤の選手に指示を出す。それぞれ声をかけられる範囲が決まっており、範囲外の選手に声をかけるとファウルになる。

試合中にファウルを犯すと、相手チームにペナルティキック(PK)が与えられるのだが、5人制サッカーでは2種類のPKがある。1つは、ペナルティエリア内でファウルがあった場合の「PK」で、ゴールから6メートルの位置にキッカーが立ち、ゴールキーパーと1対1でシュートを行う。もう1つ、「第2PK」と呼ばれるPKがある。前半と後半それぞれで、チームの累積ファウル数6つ目から相手チームに与えられ、キックは1つ目の「PK」よりも遠い、8メートルの位置から行う。

5人制サッカーの見どころはアイマスクを着けた選手が視覚以外の感覚を駆使してプレーする点だ。ボールの音からは位置だけでなく、転がり方やスピードなども把握するし、チームメートとの声かけによるコミュニケーションも重要なカギとなる。また、足先の感覚を駆使したドリブルは華麗で、相手の息遣いや仲間の声を頼りに守備の隙間を見つけ、巧みに抜いていく動きは圧巻だ。試合は想像以上に目まぐるしく展開し、最後まで気を抜けない緊張感がピッチを覆う。

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今大会のブラインドサッカーの見どころは?

ブラジルの牙城を崩す国の登場は?ルール変更の影響にも注目

リオデジャネイロ2016大会後、ルールの一部が改正された。主な改正点の1つはゴールのサイズで、従来のフットサルサイズ(幅3メートルx高さ2メートル)からフィールドホッケーサイズ(幅3.66メートル×高さ2.14メートル)に拡大された。得点の可能性が高まる分、失点の危険性も高まったと言える。

もう1つは試合時間の変更で、従来はサッカーと同じ、時計を止めずに試合を進行させるランニングタイムによる前・後半25分ハーフだったが、新しいルールではプレーが続いている間のみ試合時間を計測するプレイングタイムによる20分ハーフに変更された。この方式では、ボールアウトやファウルなどで計時が止まるので、実質的には試合時間の延長になると思われる。これらのルール変更は戦術にも影響し、体力も問われる。今後、各国の戦い方にどんな影響が見られるか、注目される。

強豪国としては過去4大会をすべて制しているブラジルが絶対王者だ。だたし、2位以下は変動していて、ロンドン2012大会はフランスが銀メダル、スペインが銅メダルを手にしたが、リオデジャネイロ2016大会ではイラン、アルゼンチンと顔ぶれが変わった。北京2008大会では中国も銀メダリストになっている。

世界的なサッカー人気もあり、5人制サッカーの普及・強化も各国で進んでいる。東京2020大会ではブラジルがその牙城を保つのか、はたしてどんな国が上位に名を連ねるのかに注目したい。

注目選手の筆頭は世界ナンバーワン選手として名高い、ブラジルのエースにして主将のリカルド・アウベスだ。リカルジーニョの愛称でも知られ、パラリンピックを含めた主な国際大会のタイトルはほとんど手にしている。

アウベスは、自身のパラリンピック初出場だった北京2008大会で母国の2連覇に貢献する活躍を見せた。主将として臨んだリオデジャネイロ2016大会では決勝戦で貴重なゴールを決め、1-0でイランを下し母国の連勝を守るなど、王者ブラジルの技術的、精神的支柱でもある。アイマスクをしているとは思えない巧みなボールさばきや豪快なシュートは必見だ。

5人制サッカーが日本でプレーされるようになったのは2001年からで、以来、国内リーグ戦なども行われ、普及・強化が進められてきた。日本代表は2014年世界選手権で過去最高順位となる6位(12カ国中)に入っている。パラリンピックはこれまで、あと1歩で出場を逃がしてきたが、東京2020大会は開催国として初出場が決まっている。チームは競技歴15年を数えるベテラン黒田智成と2016年から主将を務める川村怜の両エースを軸に、若手も成長を見せ選手層は厚みを増している。国内合宿や海外遠征を重ね、東京2020大会でのメダル獲得を目指す。

グループA予選 日本 vs. フランス

2021年8月29日(日)9時〜

テレビ放送

  • 中継 8月29日 [NHK総合]
  • 録画 8月29日 18時〜 [Eテレ]

結果 日本 4 – 0 フランス

1次リーグA組が行われ、初出場で世界ランク12位の日本は初戦で同14位のフランスを4―0で下し、白星発進を決めた。

日本は前半4分に42歳のFW黒田選手がドリブルから攻めて、左足で先制ゴール。9分にも今度はコーナーキックからパスを受け取った黒田選手が右足でミドルシュートを決めて、2点目を奪った。

前半終了間際には、世界的なプレーヤーでもあるエース背番号10の川村怜選手がFKからゴールを決めて3-0。試合を優位に進めた。日本は試合中、チームの形であるダイヤモンドの陣形を崩さず、組織的な守備で屈強な選手をそろえたフランス代表の猛攻を抑えた。

後半には、川村選手のPKで追加点。ゴール裏でコーラーを務める中川英治コーチの的確な指示のもとで、耳を研ぎ澄まし、最後まで攻守バランスとれたプレーを見せた。

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グループA予選 日本 vs. ブラジル

2021年8月30日(月)11時30分〜

テレビ放送

  • 中継 8月30日 [NHK総合]

結果 日本 0 – 4 ブラジル

東京パラリンピック、ブラインドサッカーの予選リーグで日本は4連覇中のブラジルと対戦し、0対4で敗れました。これで日本は予選リーグ、1勝1敗となりました。

日本は前半5分にブラジルのライムンド・メンデス選手に今大会、3点目となるゴールを奪われて先制され、前半を0対1で終えました。後半もブラジルに一方的に攻められリカルド・アウベス選手に2点を決められるなど3点を追加されました。

この試合、ブラジルが21本のシュートを打ったのに対し、日本のシュートは17歳の園部優月選手が打った1本にとどまり最後まで決定的な場面を作ることができず、0対4で敗れました。

グループA予選 日本 vs. 中国

2021年8月31日(火)9時〜

テレビ放送

  • 中継 8月31日 [NHK総合]

結果 日本 0 – 2 中国

東京パラリンピック、ブラインドサッカーは予選リーグの最終戦が行われ、日本は中国に0対2で敗れて準決勝進出はなりませんでした。

前半は一方的に攻められる苦しい展開になり、12分には中国の朱瑞銘選手に強烈なシュートを打たれて先制点を奪われました。さらに、18分にも朱選手にドリブルで突破されてシュートを決められ、前半を0対2で終えました。

後半、日本はベテランの黒田智成選手が5分にこの試合、初めてとなるシュートを打つなど5本のシュートを打ちましたが、得点にはつながらず、0対2で敗れて準決勝に進むことはできませんでした。

5-6位決定戦 日本 vs. スペイン

2021年9月2日(木)11時30分〜

結果 日本 1-0 スペイン

東京パラリンピックのブラインドサッカーで日本は5位6位決定戦に臨み、世界ランキング3位の強豪、スペインに1対0で勝って5位で初出場の大会を終えました。

日本は、開始直後から攻め込まれる展開が続くなか、ゴール前に人数をかける厚い守りで、ピンチをしのぎました。そして両チーム無得点のまま迎えた前半終了間際、コーナーキックからキャプテンの川村怜選手がゴール前へ浮かしたパスを出し、走り込んだベテランの黒田智成選手が豪快にシュートを決め、先制点を奪いました。リードした後半もスペインに主導権を握られ、10分すぎには攻守の要として活躍していた佐々木ロベルト泉選手が5つ目のファウルをして退場となりました。

日本は、この試合、スペインに4倍以上の23本のシュートを打たれながらも佐々木選手に代わって出場した選手を含め、集中した守りを続け、最後まで得点を与えませんでした。

終了した試合(テレビ中継)の動画を見る方法

東京2020パラリンピック[ブラインドサッカー]の日本代表チームの対戦は、NHK総合やEテレで放送された後、1週間は「NHKプラス」で視聴することができます。ただし、NHKプラスはNHK総合テレビ・Eテレの放送番組が対象となっており、BS放送の番組は配信されませんのでご留意ください。

また、NHKプラスの五輪特設サイト「東京2020オリンピック・パラリンピック」では、一部の試合のライブ配信やハイライト動画が配信される予定です。

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