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田中陽希が三百名山の完全人力踏破に挑むドキュメンタリー
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NHKドキュメンタリー「グレートトラバース3」とは?

プロアドベンチャーレーサーの田中陽希さんが、これまでの百名山、二百名山に百座を加えた、三百名山全ての山の完全人力踏破に挑戦する様子を追ったドキュメンタリーです。

出演者

プロアドベンチャーレーサー 田中陽希(たなか ようき)

1983年埼玉県生まれ、幼少期に家族で富良野へ移住。群馬県みなかみ町在住。学生時代はクロスカントリースキー全日本学生選手権で入賞。卒業後、アウトドア業界で働きながらアドベンチャーレースの世界に飛び込み、パタゴニア・エクスペディションレース(2012、2013)で2位入賞、アドベンチャーレース・ワールドカップに出場をするなど、日本を代表するアドベンチャーレーサーとして活躍してきた。2014年に日本百名山、2015年に日本二百名山の人力踏破に成功。2018年から、前人未踏の日本三百名山全山人力踏破に挑む。

「グレートトラバース」の公式サイト

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  • 富士山麓 迷宮レース 田中陽希 新たなる挑戦
  • アメリカ極限のサバイバルレース~新キャプテン陽希の挑戦~

「グレートトラバース3」の動画視聴の流れ

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これまでの放送内容

※15分番組(15min.)は除いています。

グレートトラバース外伝「アメリカ極限のサバイバルレース〜新キャプテン陽希の挑戦〜」

放送 2022年9月17日

グレートトラバースを終えた田中陽希が5年ぶりにアドベンチャーレースの世界の舞台に帰ってきた。新キャプテンとなった陽希、果たしてチームを勝利に導けるのか?

2022年5月アメリカ・オレゴン州。アドベンチャーレースの世界大会が開かれた。日本から参加したイーストウインドは、田中陽希を新たなキャプテンに据え、初優勝を目指す。溶岩台地でのナビゲーション、100kmを超えるMTB、そして荒れ狂う激流をパックラフトで下る。ところが新キャプテンの下、チームはまさかの迷走。更に想定外の大雪がチームの足を止め、低体温症の危機が迫る。果たして、新キャプテン陽希の判断は?

グレートトラバース外伝「富士山麓 迷宮レース 田中陽希 新たなる挑戦」

放送 2022年3月3日

プロアドベンチャーレーサー田中陽希が、三百名山の旅を終え、新たな挑戦に挑む!舞台は富士山麓、道無き道を駆け巡る山岳レース。果たして勝利をつかむことはできるのか?

足掛け7年にわたるグレートトラバースの旅を終えた田中が次に挑むのは、富士山麓で行われる“OMM”。2人1組でチームを組み、道無き森を駆け抜ける過酷な山岳レースだ。2日分の衣食住全てを背負い、総距離80kmに達する。鍵となるのは地図を読み走るナビゲーション能力、そしてチームワークだ。立ちはだかるのは6回優勝の絶対王者ら、オリエンテーリングの選手たち。後輩ペアも下克上を狙う。田中は勝利をつかめるのか?

グレートトラバース「田中陽希 501座 7年の軌跡」

放送 2022年2月26日

7年にわたった田中陽希のグレートトラバース。日本列島を3往復、総距離3万6千km、計501座を踏破した。3つの旅で何を得て、何を成し遂げたのか?田中の成長の記録

プロアドベンチャーレーサーの田中陽希が日本百名山、二百名山、そして三百名山、そのすべてを7年間かけ歩ききった「グレートトラバース」。登った山は計501座、総距離3万6千kmに及ぶ。立ちはだかったいくつもの難関、巡り合った神秘の絶景、その全てが田中を成長させてくれた。そして勇気を与えてくれたのは、あたたかな出会いの数々。田中は3度の旅で、何を得て何を成し遂げてきたのか。一人の男の成長の全記録。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破「達成スペシャル」

放送 2021年12月29日(水)午後7時30〜9時[BSプレミアム]

3年7ヶ月に及ぶ三百名山完全踏破の旅を終えたプロアドベンチャーレーサー田中陽希がスタジオに登場!知られざるエピソードや撮影の舞台裏などを交え壮大な旅を振り返る。

今年8月、北海道利尻岳で三百名山完全踏破の旅がついに完結した。鹿児島・屋久島を出発してから3年7ヶ月。その間、地震、骨折、長雨、新型コロナウイルスなどアクシデントに見舞われながらも、不撓不屈の精神で旅を貫徹した。その距離2万キロ以上、累世標高差は50万メートルにも及ぶ。スタジオに田中陽希本人を迎え、当時の心境や今だから話せる旅の裏話なども交えつつ、旅の全貌を俯瞰する。さらに撮影の舞台裏も紹介!

【出演】田中陽希,ももいろクローバーZ,土井善晴,平出和也,三戸呂拓也

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破「最終回 2万キロ踏破!大雪山から利尻」

放送 2021年11月27日(土)午後7時〜[BSプレミアム]

プロアドベンチャーレーサー田中陽希が日本三百名山全ての頂を人力だけで踏破する前代未聞のチャレンジ、ついに完結!2万kmに及ぶ旅の終わり、田中に起きた“奇跡”とは

3年7ヶ月に及んだ日本列島縦断の旅がいよいよ完結!大雪山系113km縦走中の田中。トムラウシ山、石狩岳を順調に踏破。そして高山植物の大群落が見頃を迎える最高峰・旭岳へ。そこで目にした“奇跡”の絶景とは?最後の関門、利尻水道25kmをカヤックで横断!百名山の旅で強風で海へと投げ出された、その悪夢がよみがえる。果たして、無事突破できるのか?そして迎えた最後の頂、利尻岳。その頂で田中は何を思うのか?

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破34「知床・大雪山系の6座」

放送 2021年10月2日(土)午後6時〜[BSプレミアム]

最終コーナーに入った三百名山の旅。生命が躍動する知床、雪解け水ほとばしる滝の山・斜里岳、活火山・阿寒岳へ。大雪山系、花の楽園を満喫後待っていたのは初夏の落雷!?

3年4ヵ月に及ぶ三百名山全山人力踏破の旅も残り12座。雪氷と風との死闘となった日高山脈を後にした田中陽希は、440キロの道のりを進み、春、生命が躍動する知床・羅臼岳へ。斜里岳では雪解け水を集めた12の滝が連続する難関に挑む。さらにふたつの火山、阿寒岳、ニペソツ山に…そして田中が長年夢見てきた大雪山系7泊8日の大縦走へ。この時だけという百花繚乱の花園を堪能した、田中を待っていたのは夏の稲妻だった!

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破33「最難関!日高山脈大縦走」

放送 2021年9月4日(土)午後6時〜[BSプレミアム]

去年11月に283座目の暑寒別岳を踏破した後、実家の富良野で北海道の厳しい冬が終わるのを待っていた田中。4月、夕張山地から旅の最終章がスタート。まだ雪深いりょう線には小屋もなく雪のシェルターを寝床にしながら、過酷なスキー縦走に挑む。その先に待っているのが、長大な日高山脈。8日間かけ4座を縦走する計画だが、切り立ったりょう線、凍り付いた斜面、張り出す雪ぴなど数々の罠が待ち受ける、まさに旅の最難関だ。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破32「縦断660km!冬迫る北の大地をゆく」

放送 2021年2月6日(土)午後7時30分〜[BSプレミアム]

ついに北海道に上陸した三百名山の旅。紅葉が見頃のニセコアンヌプリ、荒々しい火山・樽前山、蝦夷富士と呼ばれる羊蹄山を次々と踏破。だが、北国の冬がひたひたと迫る。

プロアドベンチャーレーサー・田中陽希が挑む三百名山人力踏破。2020年シーズン最後を飾る北海道南西部を巡る。荒々しい火山の絶景が魅力の樽前山へは10kmにも及ぶ大縦走を敢行。ニセコアンヌプリでは錦秋の紅葉と山を望む露天風呂へ。北海道を代表する蝦夷富士・羊蹄山では、ついに冬の便りが届く。さらに日本海に面した豪雪の山・暑寒別岳で、猛吹雪に遭遇。まさかのホワイトアウト!?田中、逆境をどう切り抜けるのか?

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破31「津軽海峡大横断!青森・北海道の6座」

放送 2021年1月2日(土)午後8時〜[BSプレミアム]

人力踏破の旅もほぼ千日、初秋の青森・北海道の6座に挑む。白神岳では世界遺産ならではの原始の森を、八甲田山では秋色の大平原を体感!津軽海峡ではマグロが待っていた!

プロアドベンチャーレーサー・田中陽希が挑む三百名山人力踏破。本州の旅も大詰め、青森の三座を踏破すれば、最後のステージ北海道だ。岩木山で地元の人の山への愛情にふれた後、津軽海峡をカヤックで横断、そこで神出鬼没の潮目に遭遇!白波にさらされ、前進を阻まれる。さらにマグロの大群が田中に迫る!この危機を突破できるのか?秋深まる北海道・狩場山では次々とヒグマの痕跡が…そして下山時に、ついに…!?

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破30「千変万化の大パノラマ!岩手・秋田の7座」

放送 2020年12月5日(土)午後7時30分〜[BSプレミアム]

岩手から秋田へと進む、田中陽希の三百名山の旅。待っていたのは大パノラマの山々!姫神山、八幡平、乳頭山、秋田駒ケ岳、森吉山…夏から秋へとうつろう多彩な7座に挑む!

プロアドベンチャーレーサー田中陽希が挑む三百名山全山人力踏破の旅。夏の終わりに登るのは、岩手から秋田へ大パノラマの7座。まず訪ねたのは石川啄木が愛したふるさとの山・姫神山。巨岩信仰の痕跡に出会う。八幡平では、湿原の火口湖に鏡のように映し出されたご来光を満喫!5年ぶりに訪れた秋田駒ケ岳では、火山が生んだダイナミックな景観に驚嘆!そしてマタギの山・森吉山では、獣の気配に怯えながら、絶景の頂を目指す。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破29「百花繚乱!真夏の東北6座」

放送 2020年11月14日(土)午後7時30分〜[BSプレミアム]

自粛から3か月、旅が再始動!花の百名山・栗駒山や焼石岳、固有種咲き乱れる早池峰山など真夏の盛りを迎えた名峰を堪能!だが長期のブランクで登山のカンが取り戻せない。

プロアドベンチャーレーサー・田中陽希の前代未聞の人力旅。3か月ぶりの登山、まずは神室山へ…直面したのは“筋肉の衰え”と“真夏の太陽”…疲弊する田中を待っていたのは、栗駒山など東北地方トップクラスの“花の楽園”だった。ミヤマキンポウゲ、ツリガネニンジンなどの花々に癒される。“海の山”五葉山、そしてリアス式海岸のロードを経て、信仰の山・早池峰山へ…そこでも花の盛りに重なり、固有種の数々に遭遇する。

グレートトラバース外伝「大冒険パタゴニア〜田中陽希 世界の頂点に挑む〜」

放送 2020年10月1日

二百名山完全踏破を成し遂げた田中陽希が、地球の果て・パタゴニアの耐久レースに挑む。逆風の海峡、荒れ狂う激流、立ちはだかる氷河!果たして世界の頂点に立てるのか。

二百名山完全踏破を成し遂げた田中陽希が、世界一過酷なアドベンチャーレースに挑む。パタゴニアンエクスペディションだ。逆風のマゼラン海峡、ヤブと湿地の草原、氷河からの激流、カヌーでのフィヨルド横断、そして大岩壁…幾多もの難関が待ち受ける612キロの道のりを、人力だけで踏破してゆく。だが、レース途中リーダーが大けが!世界の強豪相手に田中のチームは頂点に立つことはできるのか!?地球の果ての大冒険を追う。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破「新たなる困難に立ち向かえ!難関突破SP」

2020年9月12日放送

プロアドベンチャーレーサー田中陽希がこれまで三百名山踏破の旅で遭遇した数多の試練。その難関をいかに乗り越えたのかを振り返り、困難な時代を生き抜くヒントを探る。

4月、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で旅の中断を余儀なくされた田中。山形県酒田市で長期停滞に入った。だが2か月経過しても、旅再開の目途は立たない。果たして旅は続けられるのか…だが、田中はこれまで数多の困難に立ち向かい、勇気と知恵を振り絞り、乗り越えてきた。そこで今回は特別編!田中が難関の数々をいかにして乗り越えてきたかにスポットを当てる。それは困難な時代に生きる私たちのヒントになるはずだ。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破28「早春!東北の名峰5座に挑む」

2020年8月1日放送

3年目に突入した三百名山の旅。早春・雪の東北5座をめぐる。巨大雪庇など雪の罠が潜む飯豊山、そして出羽富士鳥海山では日本海を眺めながらの大滑降に挑む。

プロアドベンチャーレーサー・田中陽希が挑む三百名山人力踏破。今回の舞台は早春、雪の東北の名峰5座。2度挑むも悪天候にはね返された因縁の山・飯豊山へ!雪で固められた岩稜・剣ヶ峰、巨大雪庇など雪の罠が立ちはだかる。蔵王では今季初のスキー登山に挑むも…!?鳥海山では天候が目まぐるしく変わり、3度のルート工作を余儀なくされる。その山頂部からスキー大滑降!そして想定外のコロナ禍で今後の旅の行方は…?

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破27「白銀の峰々へ!吾妻から那須」

2020年7月4日放送

3年目に突入した三百名山の旅。厳冬期の吾妻連峰縦走、道もなく雪の絶壁が立ちはだかる荒海山、そして強風が吹きすさぶ那須連山縦走まで、過酷な福島・栃木の7座に挑む。

磐梯山を踏破した田中。天候が安定しない中、吾妻連峰の縦走へ挑む。だが広い稜線は霧に包まれホワイトアウト寸前。避難小屋で一夜を過ごし、待っていたのは、見たこともない”スノーモンスター”と呼ばれる樹氷の大絶景だった。三百名山・荒海山では厳冬期バリエーションルートに挑戦。道のない断崖絶壁で田中は雪崩の恐怖と戦う。そして早春の那須連山を大縦走。稜線で出会ったのは、強風が作り出した”自然の芸術品”だった。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破26「厳冬!氷雪の越後・会津の七座」

2020年6月6日放送

田中陽希、初となる北国の厳冬期登山!新潟・守門でホワイトアウトの中でつかんだ雪山単独必勝法、奥会津・七ヶ岳では滝と沢の氷雪回廊を大突破!

プロアドベンチャー田中陽希が挑む三百名山全山人力踏破の旅はいよいよ3年目に突入!初挑戦となる厳冬期・北国の山々。守門岳では視界のきかないホワイトアウトの中、雪山攻略法を発見!順調にいくかと思われたが、会津朝日岳では謎の絶叫!そして奥会津の名峰・七ヶ岳では凍りついた滝と沢に遭遇、滑落必至の難関をどう突破するのか?そして会津若松で年を越した後、新年の一座目は強風の百名山・磐梯山が待ち受ける。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破25「東北豪雪地帯へ朝日・飯豊連峰」

2020年5月2日放送

佐渡を終えた田中に新たな難関が立ちはだかる。目指すは、東北豪雪地帯。2つの巨大山塊、朝日・飯豊連峰だ。迫りくる冬。雪に閉ざされる前に、踏破することができるのか?

2019年11月、佐渡海峡を横断し、新潟・長岡へと戻ったプロアドベンチャーレーサー田中陽希。いよいよ東北地方へと脚を踏み入れる。だが、待ち受けていたのは、初冬の東北ならではの重く沈み込む雪。信仰の山・月山では、猛烈な突風に見舞われてしまう。そして、3日間の縦走で挑んだ奥深き秘峰・朝日連峰。腿まで沈み込む雪に苦労しながらも、たどり着いたりょう線で待っていたのは、白銀に彩られた奇跡の絶景だった…

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破24「晩秋越後の山々 そして佐渡へ」

放送 2020年4月4日

中越と佐渡の山々8座に挑む!55の鎖場が待つ越後随一の難所・八海山。コースタイムは24時間!?越後三山の中ノ岳から荒沢岳へ大縦走!そして海を渡り、佐渡島へ!

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破23「尾瀬へ谷川岳へ 知られざる絶景へ」

放送 2020年3月7日

田中は、錦秋の尾瀬ヶ原を歩き、至仏山へ。そして第二の故郷・群馬みなかみ町へと向かう。若き日をすごした谷川連峰で待っていたのは、田中も見たこともない絶景だった!

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破22「日光から尾瀬へ9座を歩く」

放送 2020年2月1日

三百名山の旅は北関東へ。日光から尾瀬の9座を巡る。足尾山塊2座を経て日光へ辿りついた田中、男体山の麓で年に一度の祭りに遭遇。それは修験にまつわる火の儀式だった。

グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破21「巨大山塊!奥秩父をゆく」

放送 2020年1月25日

富士山を登り終えた田中が向かうのは、奥秩父の山々。東京・山梨など1都4県に広がる巨大な山塊だ。東京都の最高峰・雲取山に登った田中、ついに節目の200座を迎える。

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田中陽希さんのインタビュー内容

※2020年2月

丸二年が経ちました。いまどのような想いで歩き続けていますか?

田中:今年1月19日に250座目に到達しました。残り100座を切った頃から「もう終わっちゃいますね」という声が聞こえてきたのですが、自分の中ではまだまだ気が抜けない感じです。

ゴールはいつ頃を想定しているのでしょう?

田中:所属しているチームイーストウインドへの復帰もありますので、できれば10月までには終えたいと思っています。

全体を振り返ってみて、ここまではどのような旅模様でしたか?

田中:そうですね、旅をしていると、気持ちが落ち込むこともあれば上がってくることもあるんです。これまでの旅程でいえば、四国を終えて、鳥取県の大山に向かうときがいちばん落ち込みましたね。四国が自分のなかではとても充実していたので、少し虚脱感のようなものがあったのかもしれません。

プレッシャーが大きかったのは、シーカヤックでの海峡横断があった佐渡島でした。当初は9月に渡る予定でしたが、天候の関係で11月頭までずれ込んでしまって、少し焦っていたんです。でも焦り過ぎると、目の前の一座に集中できなくなってしまう。なんとか気持ちを切り換えるように努力しました。

百名山や二百名山の挑戦では、雨でも進んでいましが、今回はできるだけコンディションのよい状態で進みたいと考えています。その分、待つ時間も増えるわけで、ある意味、自分自身がそれに堪えられるようになってきたともいえます。佐渡島から本州に戻ったとき、プレッシャーから解放されて少し気が緩みそうになったのですが、冬が迫る前に飯豊連峰と朝日連峰までは登りたいと思っていたので、気持ちを立て直しました。台風到来もあり、常に天気を意識しながら進む感じでした。

モチベーションはどのように維持しているのでしょう。心のチューニング方法といいますか。

田中:過去2つのチャレンジと、対比することはありますね。たとえば先日登った磐梯山と安達太良山は百名山のときには一日で一気に登ってしまったんです。今回は季節も違うので、すごくゆっくり登りました。そんなこともあって、前の2つのチャレンジを振り返ってみると、自分のことながら他人ごとのような感覚があります。

これまでの旅はいずれも7ヶ月程度でスピード感があり、モチベーションも維持しやすかったんですね。一日50km歩けば次の街に到達する、10日歩けば500km進めるといったように。

それに比べて今回はまったく別の旅という感覚があります。自分でいうのもなんですが、以前の旅はかなり無茶なことをしていましたね(笑)。当時は普通だと思っていたんですけれど。自分にとっては、いまの旅の方が面白いです。

今回の旅を少し俯瞰してとらえたとき、陽希さんにとってどのような意味を持つと考えていますか?

田中:三百名山に挑戦しようと思ったきっかけは、百名山、二百名山で取りこぼしたことが多かったからです。いずれもゴールの時間を優先して進んでいたところがあったので。でもその経験があったからこそ、いまの旅がある。3つは別々の旅ですけれど、必然で繋がっています。

僕の心のなかを大きく占めているのは、やはり二百名山ですね。あの旅は100パーセント自分の気持ちで動いていたわけではなかったんです。自分がやりたいという気持ちより、受け身の部分が多く、それによる葛藤がありました。

百名山を終えて、準備もままならないまま出発してしまったので、旅をしながら心身ともに整えていく感じでした。スタートしてすぐに怪我をしたりもしましたし。ゴールしたとき、やりきった、責任を果たしたという安堵感はありましたけれど、自分のなかで気持ちよくなかったんです。気持ちよくスタートしていないので、終わりも同じような感覚でした。

その後、チームイーストウインドに戻ったわけですけれど、時間が経てば経つほど、あの終わり方はよくなかったなという気持ちが大きくなっていった。もう一回やりきらないと、その先には進めないという気持ちが生まれてきました。

250座を超えたわけですが、これまでの行程でとくに印象に残っているエピソードはありますか?

田中:正直、ここまで期間が長くなるとは思っていなかったんです。やはり骨折は旅に大きな影響を与えましたね。当初は2年で終えるつもりだったのですが、骨折をした時点で岐阜の藪山三山を次の年に持ち越すことが決まり、3年目を迎える覚悟をしました。

骨折をしてしまったのは、京都の蓬莱山での下りでした。ちょうどその前に夕立があって、路面がぬかるんでいたんですね。花崗岩の表面がざらざらっと滑って。そのときたまたまポールを持っていたため、滑った瞬間に3本の指で体を支えてしまい、薬指がついた岩にひっかかって手の甲の骨を折りました。たまたまカメラマンがそのシーンを撮影していたので、番組の中でも映っています。

テレビに映っていない時間はどのように過ごしているのでしょう?

田中:宿についたらお風呂に入って洗濯して、食事して、寝ます。夜更かしするのは翌日が休みのときくらいですかね。ある程度ルーティンがあるんです。宿に到着したらまずお風呂かシャワー。汗でドロドロになる日もありますから。それから洗濯をして、その間にストレッチをしたり仮眠をしたり、相撲中継を見たり。大相撲が好きなんですよ(笑)。

夕食はできるだけ早い時間に済ませるようにしていて、だいたい18時です。食べるのが遅くなると、寝ている間に消化することになり、内蔵に負担がかかってしまうので。食後は洗濯を干して、遅くても21時台には寝ています。行動中の食料の調達はコンビニや地元のスーパーマーケット、商店などで行っています。

身体のケアはどうされていますか?

田中:ストレッチと筋トレをしています。腕立て伏せは毎日30回。あとは行く先々で鍼灸を受けたり、マッサージに行ったり、垢すりに行ったりします。垢すりは結構はまっています(笑)。そのほか温泉も楽しみですね。山の麓には温泉が多いですから。

3つの旅を通して、日本の風景に変化は見られますか?

田中:地方にいくとコンビニが廃業してコインランドリーになっているケースが多々あります。この2〜3年で、全国的にコインランドリーはすごく増えたと思いますね。その次はコインパーキング。あと増えたなと感じるのはソーラーパネルです。これは西日本を中心に増えた気がします。

そうそう、全国を歩いていていると、どんなに小さな集落にも存在するものがあるんですよ。なんだと思います?

なんでしょう?

田中:理髪店です。九州のある小さな集落には商店がひとつもなかったんですが、理髪店は3軒もあったんですよ。不思議ですよね。ほかの土地を歩いていても、山を越えると最初に出てくるのは理髪店なんです。僕もたまに顔をそってもらうことがあります。その次に多いのは郵便局ですかね。

これから東北エリア、北海道が待っています。この旅を終えるとき、陽希さんにはどのような風景が待っていると思われますか?

田中:いま、自分の中でそれが少しわからなくなっています。想像していたことと違うことがたくさん起こっていますから。いまもまさに。もう一度、自宅へ歩いて帰ってくるとは、まったく予測していなかったですからね。
でも、250座までよく来たなとは思います。2年目は大きな怪我もなく歩き進められたので、よかったなと。1年目が121座、2年目には125座に登りました。一年ごとにだいたい同じくらいの数で収まるということは、初心を忘れずに歩き続けている証拠なのかもとも思います。

ご自身のなかで、変化したものはありますか?

田中:自分ではまだわからないです。強いて言えば、だいぶゆとりを持ってものごとを捉えられるようになった気はします。今回の旅であらためて実感しているのは、人間は本当に時間に縛られて生きているんだなということ。もっと自然が与えてくれるリズムと呼応できたら、僕らはゆとりを持って生活できるんじゃないかなと思います。

この旅は自分にとっての集大成、ひとつの区切りなんです。チームイーストウインドから長く離れてしまっている寂しさがあります。このところチームには毎年新人が入ってきていますから、戻ったときに自分の居場所はあるのかなという不安も感じています。リーダーの田中正人さんからは「早く旅を終わらせろ」と言われていますけれど(笑)。

今年で自分は37歳。最後に利尻岳に登ったとき、一体どんな気持ちになるのか。250座が過ぎてようやく、ときどきではありますが、ゴールについて思いを巡らせるようになってきています。

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