目次
東京2020オリンピック[卓球 女子シングルス]
- 女子シングルスは各国2名を上限とする計70名で争われる。
- 出場選手はITTFが算出したオリンピックランキングによってシード順位が決められ、65位以下は予選ラウンドからの出場となる。
- 予選からすべてトーナメント方式で行われ、シード順位に応じて、登場するラウンドが決定する。1~16位は3回戦、17~32位は2回戦、33~48位は1回戦からの出場。49~64位はドローによって、1回戦からか予選からかが決まる。
- 試合は7ゲームズマッチで行われ、4ゲームを先取した選手が勝利となる。
- 日本からは伊藤美誠と石川佳純が出場。伊藤美誠と石川佳純は、共にランキング16位以内のため、3回戦から登場する。
3回戦 石川佳純 vs. オラワン・パラナン[タイ]
2021年7月26日(月)15時30分〜
テレビ放送
- 中継 7月26日 [フジテレビ]
結果
石川佳純 4 – 2 オラワン・パラナン
石川にとって初戦となる女子シングルス3回戦は、ゲームカウント4-2で突破した。
石川の初戦相手は、タイのオラワン・パラナン。オラワンは2回戦で格上のハナ・マテロバをゲームカウント4-2で下している。石川とオラワンは過去にダブルスでの対戦歴があり、その時は石川の3勝0敗だが、世界ランキングをここ数年で約100も上げている若手の勢いのある選手。お互いが左利きという中で、石川がどう試合を進めていくかが見どころとなった。
第1ゲームは石川11-5オラワン。終始ペースを握ったのは実力で勝る石川。サーブでオラワンを翻弄すると、得意のフォアハンドドライブを連発。安定感のある試合運びで順調にポイントを重ね、初戦の第1ゲームを11-5でモノにした。
第2ゲームは石川5-11オラワン。第1ゲームから一転、思うような試合運びとならない石川。オラワンは石川を左右に揺さぶり、流れをつかむ。石川も攻めるが入らず、相手のエッジボールも続き、3-9と6点差をつけられてしまう。オラワンの流れを止められないまま、5-11で第2ゲームを落とした。
第3ゲームは石川11-4オラワン。第3ゲームはオラワンが緩急をつけたプレーで対応してきたが、石川は緩いボールにしっかり対応し、後半ではバックハンドの強打が冴え、このゲームは石川が取る。
第4ゲームは石川6-11オラワン。ゲーム連取で一気に勢いをつけたい石川だったが、オラワンにバックハンドでのラリーに持ち込まれると、ミスから4連続ポイントを許してしまう。その後も流れに乗り切れずにリードを許し続け、最後はエッジボールでポイントを奪われて6-11で敗戦。ゲームカウントをタイに戻された。
第5ゲームは石川11-4オラワン。序盤は一進一退の攻防が繰り広げられる。互いに巧みなコース取りで相手を揺さぶり得点を重ねていく。しかし中盤、5-4から石川が流れをつかみ、一気にオラワンを突き放す。その後石川は相手に1点も取らせないまま、11-4で相手を圧倒し、この試合勝利に王手をかけた。
第6ゲームは石川11-8オラワン。この勢いのまま勝ちたい石川であるが、積極的にレシーブから攻めて3-0でリードしているときに、オラワンがタイムアウト。その直後、4-1とリードしている時に石川がタイムアウト。タイムアウト明けから石川がフォアハンドで攻めに行き、4点をリードする。オラワンが連続ポイントで追いついてくるが、粘り強く取り続け最後は11-8で勝利を掴んだ。
3回戦 伊藤美誠 vs. フ・ユ[ポルトガル]
2021年7月27日(火)12時〜
テレビ放送
- 中継 7月27日 [日テレ]
結果
伊藤美誠 4 – 1 フ・ユ
前日に水谷隼とのペアで挑んだ混合ダブルス決勝で中国ペアを破り、日本卓球界史上初の五輪金メダルを獲得した伊藤美誠は、フ・ユ(ポルトガル)を4−1(11−9、5−11、11−5、11−4)で下し、4回戦進出を決めた。
4回戦 石川佳純 vs. ソフィア・ポルカノバ[オーストリア]
2021年7月27日(火)16時30分〜
テレビ放送
- 中継 7月27日 [日テレ]
結果
石川佳純 4 – 0 ソフィア・ポルカノバ
東京オリンピック、卓球の女子シングルスで、石川佳純選手が4回戦でオーストリアの選手にゲームカウント4対0のストレートで勝って、準々決勝に進出した。
石川選手は序盤から多彩なサーブと積極的な攻撃でポイントを重ねて、第1ゲームを11対8で取った。続く第2ゲームも奪ったあと、第3ゲームではポルカノバ選手の手足の長さを生かした左右にボールを振るラリーに翻弄され、この試合初めてデュースにもつれ込んだが、ここでも積極的な攻めを貫き、12対10で奪取した。
石川選手は第4ゲームも取って、ゲームカウント4対0のストレートで勝ち、準々決勝に進出。石川選手のオリンピックでの女子シングルスのベスト8入りは2012年のロンドン大会以来、2大会ぶり。
4回戦 伊藤美誠 vs. スタシニ・セウタブット[タイ]
2021年7月27日(火)20時30分〜
テレビ放送
- 中継 7月27日 [日テレ]
結果
伊藤美誠 4 – 0 スタシニ・セウタブット
女子シングルス4回戦で第3シードの伊藤美誠が、スタシニ・サウェタブット(タイ)を4―0で下し、準々決勝に進出した。
2015年に1度対戦した際には2-4で敗れたが、進化した世界ランク2位の20歳はストレート勝ちを収めた。1ゲーム目から積極的に攻めて11―7で先取すると、2ゲーム目も11―6で連取。第3ゲームは9―9と追いつかれるも11―9で取ると、第4ゲームは初めてリードを奪われる展開となったが、逆転して11―7で勝った。
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準々決勝 石川佳純 vs. モンユー・ユー
2021年7月28日(水)10時〜
テレビ放送
- 中継 7月28日9時50分〜[NHK総合]
結果
石川佳純 1 – 4 モンユー・ユー[シンガポール]
卓球の女子シングルスの準々決勝で、石川佳純選手がシンガポールのユー・モンユー選手と対戦し、ゲームカウント1対4で敗れ、準決勝進出はなりませんでした。
石川はコースを的確に突いてラリー戦制して11-8で第1ゲームを先取するが、第2ゲーム以降は相手に押され、4ゲーム連続で落とし、準々決勝での敗退が決まった。勝敗の明暗を分けたのはゲームカウント1対1の第3ゲーム。石川は強化してきたサーブや得意のフォアハンドで攻めて10対8と先にゲームポイントを握るものの、相手に追いつかれてデュースにもちこまれ、再三握ったゲームポイントをものにできずに相手に流れを渡し、このあとの2ゲームも連取されて敗れた。
準々決勝 伊藤美誠 vs. チョン・ジヒ[韓国]
2021年7月28日(水)15時〜
テレビ放送
- 中継 7月28日15時〜[NHK総合]
結果
伊藤美誠 4 – 0 チョン・ジヒ
卓球の女子シングルス準々決勝で、伊藤美誠選手が韓国のチョン・ジヒ選手と対戦し、ゲームカウント4対0で勝って、準決勝進出を決めた。
第1ゲーム、出足から伊藤が得意のフォアスマッシュが飛び出す。そのまま4-0にし、その後もチャンスボールを見逃さず仕留める伊藤の速攻がさく裂し11-5で先制。2ゲーム目も伊藤はサーブとレシーブの質で主導権をガッチリ握る展開。かと思えば、6-0の場面ではバックカットを交えた芸術的なラリーも制して、11-1で圧倒する。
しかし第3ゲームは出足からドライブで攻めるチョンに0-2とされるが、強打に加えてネット際にピタッと止まるストップでチョンの動きを制限して逆転。10-10でもゆるいボールを送ってミスを誘い、緩急自在に12-10でここも取る。
4ゲーム目はややフォアを狙われる伊藤だったが、小さな体で飛びついて返球。7-6の場面ではチョンがサーブミスし、逆に伊藤が長短の巻き込みサーブで2本エースを取って勝負あり。最後はカットブロックで11-6で取り、ストレートで勝利した。
準決勝 伊藤美誠 vs. 孫穎莎[中国]
2021年7月29日(木)12時〜
テレビ放送
- 中継 7月29日10時55分〜[BS1]
結果
伊藤美誠 0 – 4 孫穎莎
卓球女子シングルスの準決勝で、伊藤美誠選手が中国の孫穎莎選手と対戦し、ゲームカウント0対4で敗れた。2ゲーム目、9-3とリードしたが、そこから9-11と大逆転されたことで完全にペースを奪われた。
世界2位の伊藤選手と世界3位の孫選手は同じ20歳で、誕生日も10日ほどしか離れていない。伊藤選手は「孫選手がいたからこそ、自分もここまで来ることができている」、孫選手も「伊藤選手の成長が、私のさらなる成長を促してくれる」と話し、互いをライバルと認め合い、切磋琢磨してきた。これまでの対戦成績はジュニア時代を含め伊藤の2勝6敗で、直近では4連敗していた。
試合直後のインタビューで、伊藤は目に涙をためて「2ゲーム目が取れなかったのが大きな点。2ゲームから3ゲームへの入りもよくなくて立て直せなかった。調子は悪くない。これが実力。すごく悔しいけど気持ちを切り替えて次の試合の臨みたい」と気丈に話した。
後日談
孫選手は、伊藤美誠と同じ20才で中国の若手ホープ。同世代のライバルとして、これまで何度も対戦しており、手の内を知り尽くした者同士の一戦だった。それなのに、どうしてこれほどまでに一方的な試合展開になってしまったのか!?
試合後、松崎コーチは孫選手がこれまでとは違う戦い方をしてきたことを明かした。これまでにない戦い方とは、「わざとボールの質を下げてきたこと」だという。
「孫選手の特徴は、女子でナンバーワンぐらいの強いボール。それに対してはすごく練習してきた。しかし、回転もスピードも少ないボールで、真逆のことをやってきた。2020年のワールドカップで対戦した時も、少しそういう感じを出してきたので準備はゼロではなかったんですけど、極端にやってきたんで、美誠が対応できなかった。」「美誠の力を出さないようなやり方をまんまとやられてしまった。」
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3位決定戦 伊藤美誠vs.ユー・モンユー[シンガポール]
2021年7月29日(木)20時〜
テレビ放送
- 中継 7月29日17時〜[テレ東]
結果
伊藤美誠 4 – 1 ユー・モンユー
卓球女子シングルスの3位決定戦で、伊藤美誠選手がシンガポールのユー・モンユー選手にゲームカウント4対1で勝って銅メダルを獲得した。女子シングルスで日本のメダル獲得は初めてとなります。
伊藤選手は第1ゲーム、相手の粘り強さに苦しめられて5連続でポイントを失うなど6対11でこのゲームを落としたが、第2ゲーム、第3ゲームは力強いフォアハンドなどで続けて奪った。
第4ゲームも伊藤選手がポイントを重ねて一時、6対1と大きくリードしたが、この後、攻撃にミスが目立ち、8対7と追い上げられたところでタイムアウトを取った。
タイムアウトの後、伊藤選手は相手のボールを粘り強く返し、コースを突くショットも見せて3連続ポイントを奪い、このゲームも取った。
伊藤選手は続く第5ゲームも取ってゲームカウント4対1で勝って、銅メダルを獲得した。
決勝 陳夢vs.孫穎莎
2021年7月29日(木)21時〜
テレビ放送
- 中継 7月29日17時〜[テレ東]
結果
陳夢 4 – 2 孫穎莎
孫穎莎は、試合後にライバル伊藤美誠への思いをこう語った。『美誠との試合は、いつだって楽しい。私を進化させ、成長させてくれる素晴らしい宿敵であり、大切な存在なんです。私たちは同い年(20才)。これから何年間もお互いを高め合いながら、戦いを続けていくのだと思います。』
伊藤美誠と孫穎莎は、今年のコロナ禍での中国遠征で試合のあと一緒に汗を流して楽しそうに打ち合っている様子がドキュメンタリー番組で紹介されていた。互いに認め合いリスペクトし合っていることが伝わってくる貴重なシーンだった。
>> NHKスペシャル「伊藤美誠 再生の旅」の再放送・見逃し動画配信は?
終了した試合(テレビ中継)の動画を見る方法
東京2020オリンピック[卓球 女子シングルス]の日本代表チームの対戦は、NHK総合やEテレで放送された後、1週間は「NHKプラス」で視聴することができます。ただし、NHKプラスはNHK総合テレビ・Eテレの放送番組が対象となっており、BS放送の番組は配信されませんのでご留意ください。
また、NHKプラスの五輪特設サイト「東京2020オリンピック・パラリンピック」では、一部の試合のライブ配信やハイライト動画が配信される予定です。
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